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ThinkPad X280のWWAN用M.2スロットにM.2 2242 SSD(M-key)は挿さらない

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先に結論

  1. X280のM.2 2242スロットはB Keyである。

  2. B Keyに対応する市販品のM.2 2242 SSDはほぼすべてがB-M KeyのSATA SSDである。

  3. X280のM.2 2242スロットはSATA SSDを認識しない。

  4. 解決法はある

X280について

X280

ThinkPad X280は2018年に発売された第8世代Core iシリーズを搭載した12.5インチビジネスノートPCだ。

ThinkPadには高性能なTシリーズ,安さが売りのEシリーズ,間を取ったLシリーズなど性能によって違いがあるが,このXシリーズというのは持ち運ぶのに便利なモバイル向けのシリーズだ。

X280は「ThinkPad」ブランドのなかでも革新的なモデルの一つで,初めてRJ-45ジャックや外付けバッテリーモジュールを廃止したほか,充電アダプタの互換性も打ち切り,メモリはオンボード化で交換不可。そしてキーボードは前世代のX270から打ち心地が悪化したともっぱらの評である。

しかしCPUがWindows11にぎりぎり公式対応している世代1というのもあり,底堅い人気のある機種だ。

メモリの交換はできなくてもキーボードの交換は素人にとっても簡単だし,ストレージ,CMOS電池,バッテリー,ディスプレイの交換だってパソコンオタクならできるレベルの作業だ。それに後輩のX390やX1 Carbon Gen6などと比較して単純にタマ数が多く入手しやすいという利点もあるし,NECのVersaPro UltraLite VP-6とも部品が共通2なのでやろうと思えば機種間ニコイチだってできる。

個人的には片手で掴んでいられるくらい軽いのとLenovoロゴが控えめなのが気に入っている。Thunderbolt3対応でモバイルモニターとの相性も良い。

「今さら8年前のビジネスノートなんて……」と思うかもしれないが,N100搭載ノートPCとほぼ同じ性能3だと考えるとそこまで悪い選択ではないかもしれない。

WWANモジュール

M.2 2242 スロット

X280にはLTEモジュールのオプションがあり,それ用のM.2 2242スロットが1つある。

LTEモジュール L850-GL

中古で買うとこのようにLTEモジュールつきという場合もあるが,まあまあレアだ。これはFibocomのL850-GLというモデル。

ちなみにこれはUEFIで適合する製品かどうかチェックが走るらしく,適当なモジュールだけ買ってつけても起動しないようになっているらしい4

ここにSSDを搭載できればWindowsとLinuxのデュアルブートも可能になるのではないか。

片面実装のSSDなら挿さるという情報

検索してすぐ出てくるネットの記事は「片面実装のM.2 2242 SSDなら挿さる」ということをしきりに強調している。

通販サイトで2242 SSDを探すと裏面の写真がほとんど見つからないのが困るが,商品説明やレビューなどを頼みに「Transcend MTE400S」を購入。

では早速……ってどう見ても挿さらんぞこれは

M.2スロットにささらないMTE400S

SSDを裏返した状態

調べるとM.2接続のWWANモジュールは一般的なM.2 SSDの端子形状であるM KeyではなくB Keyを使用することが多いらしい5。もちろんKeyが違う(切り欠きの位置が異なる)ので裏返してもささらない。やっちまった!

B Keyに対応する2242 SSDは見た限りすべてB-M KeyのSATAというのもあり,こんどはSATA SSD(Transcend MTS420)を買って挿してみる。が今度はBIOSがストレージを認識しない。

Lenovoの公式ストアのオプションでSATA SSDを選べたはずだということを思い出し,M.2 2282スロットに挿してみると認識した。M.2 2242スロットがSATA接続に対応していないというだけのことらしい。

解決

  • M.2 2232 SSD(M Key / PCIe3.0)

  • M.2のKey変換アダプタ(M Key to B-M Key)

の2つを買った。

変換アダプタ

アダプタによって装着されたSSD

この便利な商品は2232カードを挿すとちょうど2242形状になり,スロットにピッタリと収まるスグレモノだ。もちろん裏面に部品はなく,本来の厚みから1mm程度のはみ出しで済むので高さ方面の問題もない。M.2 2232はM.2 2242よりも圧倒的に選択肢が多く割安傾向にあるのもうれしい。

この変換によってSSDが使用できるPCIeレーンは4レーンから2レーンに半減してしまうが,本体が対応していないものはしょうがない。

まとめ

やりたかったデュアルブートだが,POST実行中にF12キーを連打して起動ドライブを選択するという運用をしている。

比較的ストレージの安かった時期にこういう無駄な試行錯誤ができたのはよかったかもなと今になって思う。

教訓

  • M.2の物理形状は特定の通信規格のサポートを示すものではない。

  • 知識のない分野の買い物は慎重に行わなければならない。


  1. Rufusを使えば要件チェックを解除したインストールメディアを作成できるので,そこまで気にする必要はない。念のためという人が多いと思われる。↩︎

  2. 企業・官公庁向けモデルなので入手しやすいとは言っていない。またBIOSは共通ではないのでロジックボードを交換する際には注意。 | スペック詳細 : ノートPC UltraLite タイプVB<VB-6> | ビジネスPC(法人向け) | NEC↩︎

  3. インテルNシリーズ搭載機を実力測定、Officeは快適動作もビデオ会議は要注意 | 日経クロステック(xTECH)↩︎

  4. X280を分解 WWAN(LTE)やM.2 2242 SSDは認識する?スピーカーが進化 | ThinkPad X240sを使い倒す シンクパッドのレビュー・カスタマイズ↩︎

  5. Differences Between M2 Cards M2 Slots Keys Sizes and Types | Dell US↩︎