自主規制方針

alvine.org(以下「当サイト」といいます)は青少年の健全な育成の重要性について認識しこれを尊重するため,そして昨今の表現者に対するゾーニング要請の高まりに対応するため,以下のように独自に自主規制方針(以下「本自主規制方針」といいます)を定めます。

青少年ネット規制法が定める努力義務

当サイトでは機微な表現を含む画像,動画,音声,テキストその他のメディアを掲載することがあります。当該コンテンツは青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律第2条第3項が定義する「青少年有害情報」に該当しないものと考えられますが,同法第21条が定める特定サーバー管理者の努力義務に則り,青少年閲覧防止措置をとるよう努めます。


ゾーニング要請への対応

見たくない表現に触れない自由

昨今,表現のあり方をめぐる議論において「見たくない表現に触れない自由」という言葉で表現される,リベラリズムの根幹にかかわる主題がしばしば扱われています。そもそも,日本をはじめとする自由主義社会において,人が自己決定する自由の中には「見るものを選択する自由」があります。見たいものを見て,見たくないものからは目を背けるという行動原理が支配する場(『思想表現の自由市場』と呼ばれることがあります)を前提に,不快な表現についても容認する余地があるとする考えです。1988年の商業宣伝放送差止等請求事件における最高裁判決も公共の場において必然的に衝突する自由と受忍すべき不快について解釈を示しつつ,この考えを支持しています。

然るに,「見たくない表現に触れない自由」は憲法が規定する「自由」とはまったく異なる,道徳的立場にもとづく自主規制要請のムーブメントに近いのではないのでしょうか。

なお,当サイトは現在までにこうした要請を受けたことはなく,もし受けたとしても従う必要はないと考えています。

自主規制を設ける理由

しかしながら当サイトは,こうした要請がたとえ法的な根拠を欠いていたとしても,正当性を欠いた要請であるとは考えません。

たとえば性表現は性加害という社会問題が厳然と存在する以上,それがたとえ非現実のものであったとしても被害者の感情をいたずらに刺激し,精神的苦痛を与えうるものとして理解されなければなりません。そのため,表現者が性表現に対する自主規制を設けないということは意図せずして精神的苦痛(すなわち二次的な性被害)を発生させることにつながります。さらに,こうした性表現に対する忌避感は特定の属性の人だけがもっているものではありません。HSP(Highly Sensitive Person)という心理学で用いられることばがありますが,小さなことに対しても非常に大きなストレスを抱えてしまう人は決して珍しい存在ではなくなりつつあります。多少の不便を被ったとしてもこうしたニーズに耳を傾けることは,つねに不特定多数を相手にする表現者にとって不合理なことではないと考えます。

さらに,長らく自由主義を掲げてきた日本社会は,憲法を頂点として法令上は「自由」を享受しつつも実務上は業界団体や私企業が「自主規制」を行うという,どちらかといえば民間側の要請によって表現が制限されてきたという歴史的な経緯があります。当該「自主規制」がいかなる文化的影響を及ぼし,かつどの程度の経済的効果を生んだかは量りかねますが,かくて表現者たちは各人の自由の衝突について争うことなく今日の表現をめぐるエコシステムを形成するに至ったというわけです。このような経緯を無視して「見たくない表現に触れない自由」に対してそれが民間から民間への要請であることを理解せず「表現の自由への挑戦」などとおおげさな言葉で非難することはリベラリズムに偏執した行いなのではないでしょうか。


判断基準

当サイトでは「機微な表現を含むコンテンツ」について,北沢朔風の著作物であるという前提のもと以下の判断基準を設けます。

  • ヒトを主題とするもので,性器の形状がはっきりわかる視覚的なコンテンツ。

  • ヒトを主題とするもので,臓器とくに消化器官の形状がはっきりわかる視覚的なコンテンツ。

  • ヒトの性交渉を主題とするコンテンツ。

  • 死など残酷な表現を含むコンテンツ。


具体的方法

当サイトでは以下の方法で機微な表現を含むコンテンツを設置し,青少年によるアクセスを防ぐと同時にゾーニングを行います。

  • 当該コンテンツの設置は相対パス/r-18, /en/r-18, /pic/r-18, /resource/thumb/r-18以下に限定する。

  • JavaScriptを用いて当該コンテンツへのリンクにモーダルウィンドウを設置する。

さらに,これは当サイトと直接かかわる範囲ではありませんが,Twitterにおいて当該コンテンツの発信を行う際

  • センシティブなコンテンツのフラグを立てる

という自主的な取り組みを行うものとします。


アクセシビリティとの兼ね合い

ウェブにおける自主規制は,しばしばアクセシビリティ(利用の容易さ)を著しく損なう方法によって行われます。当サイトでは「アクセシビリティはすべてに優先する」という考えのもと,お客様のUX(ユーザー体験)を損なわないよう以下に例示される配慮をしつつ自主規制を行っております。

  • モーダルウィンドウは,JavaScriptの実行が無効化された環境において閲覧を妨げないものであること。

  • モーダルウィンドウ内の要素はキーボードのTabキーで選択することができ,なおかつEscキーで閉じることができるものであること。